ぼくの宝物。
reality...
「何で私なんだろ 笑 他にも人居るのに 笑」

こんなこと言っても何も変わらない。
ただ、医師(せんせい)を困らせるだけ。

きっと彼女は、そう自分を責めながらそっと呟いた。

その証拠に、ニコニコという効果音がついてもいいだろう、無理をした笑顔のまま、不自然に目をキョロキョロさせて言っている。

たった今、彼女は自身の病名を宣告された。

「あなたの脳に腫瘍が発見されました。脳腫瘍です。」 と。

その時は僕も、(でも、治るだろうし...)と思った。

彼女も、驚いたものの、今よりは普通だった。

だが、現実は残酷である。
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