そして、彼は彼らを振り回す。
「ツムギ…お前、いつまでそうしているつもりだ。ちゃんと飯くってんのか?」


「…大丈夫だよ。今大丈夫じゃないのは楓ちゃんだから」


明らかに大丈夫ではない顔をしているのに、何を言ってんだか。


一緒にきた睦月も心底心配している。


「んなこと言ってる場合か。雅楽川さんが起きた時にお前がこんなんだったら、怒られんぞ」


ツムギははっと、雅楽川さんの眠っている顔を見た。


そして、手を握ってすっと立ち上がった。


< 30 / 36 >

この作品をシェア

pagetop