悪いキス



「よくこってるね、僕がほぐしてあげるから琴美ちゃんはプリントに集中しててよ」

「あ、ありがとう…」

「さらさらの髪だね…」

今日は髪を結うゆとりがなかったのでそのままクシをといてトリートメントスプレーをしてきただけだ

余頃は髪を丁寧に撫でて、髪の毛が肩にかからないようにすると、
肩に手を置き、ほぐし始める

「よくこってるよ、勉強がんばってる証拠だ。…それとも……」

「え?」

「それとも恋に悩んでるとか」

また耳もとで囁く

囁かれるたびに身体の芯がくすぐられている感じがしてもっと囁いて欲しいと心もとないことを思ってしまった


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