悪いキス

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「やっぱり無理!」

わたしは目を開けて唇が重なるすんでのところで余頃に抱きついた

「びっくりした、どうしたの急に?恥ずかしくなった?」

「そうじゃなくて…、わたし桑原くんのことが好きだから余頃くんとはキスできないよ」

「なんだ、そんなこととっくに知ってるよ」

後ろに回していた手を肩にポンポンと子供をあやすようにしてやった

「桑原とばっかりキスしないで僕にもお裾分けしてよ」

「………………」

「いいなぁ、桑原は。こんな可愛い娘とキス出来るんだから、罪だよ」

「………余頃くん、それがね…たい君とはキスしたことないんだよ…」

「うっそ!まぢかよ。もう犯罪だよ、それ。こんな可愛い娘だったら僕すぐにでもハラましちゃうんだけど」

「…ハラます?」

余頃はひとつ咳払いした

「こんなに可愛い娘、ほっとけないよ。僕がいなくちゃ生きてけてないってせがむくらいキスを欲しがる女の子に調教するな」


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