悪いキス


先生は分かっていたのだ

やはり見る人から見れば分かるものなのだ

自分の汚名が晴れたところで教師は言った

「そんなことより桑原の成績が気になる。最近、ちゃんと勉強してるか?植村みたいに努力してる奴は沢山いるんだ。お前ももっと真面目に勉強しなさい」

「これ以上勉強したら頭痛くなる」

大航はそんな泣きごとを吐いて職員室からわたしたちは出た

「あの、植村さん。あたし悪気があって言ったわけじゃないの」

「いいよ、もう。先生が分かってくれてさえいたんだから」


< 142 / 415 >

この作品をシェア

pagetop