悪いキス

「そんなに怒るなよ、もう少しだから」

「もう少し、もう少しってあとどのくらいよ?」

「うっせぇ女だな、来いよ」

強引に腕を引っ張って歩いて行く

「嫌だ、痛いっ!放してよ」

わたしは太田の言いなりでしかなくてどんどん道を進んでいく

熊笹が生い茂る歩道をこれでもかというほど歩いた

まるで同じ道を何度もぐるぐる回っているようだった
そうしていると突如視界は広がり湖が見えた


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