悪いキス
「太田、どういうつもりだ?」
ジャージを着たわたしを引き寄せて、大航は視線を太田に向けた
「ひとの女に手を出すってよく噂にきいてたけど、桑原くんの彼女にも手を出すなんてよくやるわね」
「…ちがっ、何言って。俺は仕方なく植村を」
「はい、もう分かったよー。分岐点のところで明石(めいし)が立ってただろ。矢印、反対指してたぞ」
「そ、そうです、矢印が反対だったからそれで迷って…」
「太田、明石(めいし)とよくつるんでるよな?あいつ言ってた、太田に頼まれて矢印反対にしたって」
「あの野郎~!!」
太田は悔しそうに唇をかんだ
「どうやら、植村が正直に言ってるみたいだな」
先生はそう判断した
太田は悔しそうに舌打ちをした