悪いキス

そこにはもう一倫も大航も来ていた

「もう着いてたの?待たせちゃったかな」

「いんや、俺らもついさっき来たとこだよ」

大航は気を遣ってくれたのかもしれない

「二週間、どうぞお世話になります、宜しくね」

わたしはそんな風に挨拶すると

「どうしたの?かしこまっちゃって」

「気にしなくていいよ」

そんな言葉が返ってきた

これから二週間、自分たちだけでご飯を作ったりするのである

交通費も食事代などもろもろな費用はすべて大航側持ちなのだ

ただまだ来てないのは揺木谷まい子だった

来ないつもりだろうか…

いや、何の連絡もないから来るはずである

彼女のことだからきっとギリギリに来る、わたしはそんな予感を抱いていた


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