悪いキス

「ふたりともいつまで寝てるの?起きて。トースト持ってきたよ」

いつの間にかわたしたちは寝てしまっていたのだった

ベッドにいるふたりの様子を見てまい子はにんまり笑ってご機嫌になったみたいだった

「琴美、なんでお前、兄貴と…」

すっかり元気になったのかまい子の後から大航が顔を出した

「…たい君、熱下がったの?」

「んあぁ、一晩寝たら下がったよ。それよりもなんで兄貴と寝てるんだ?」

「大航が熱でうなされてる間に、意気投合しちゃったんじゃない?」

「違うよ、たい君。わたし昨夜、地下室に閉じ込められてて手首をロープで縛られてたの」

縛られた両手を大航に突き付けた

「…一体これはどういうつもりだ、兄貴!?」


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