悪いキス
「もうすぐ夏休みも終わるね、おふたりはどこまでやったの?」
悔しかったからそう訊いてやった
わたしの記憶は一気に思い出してしまっていた
彼女の声が聞こえて誰かに押されて酷い衝突を受けたことを
「「え……?」」
ふたりは耳を疑ったようだった
「よくもまぁのこのことわたしの前に現れることが出来るわね?」
わたしは泣きながら振り向いた
「思い出したの、思い出したのよ。なにもかも」
「琴美…!」
大航の声がした