悪いキス
「どけよ」
バレーボールが見事に渕上の顔に命中する
「俺の女に手を出すんじゃねぇよ」
出入り口のドアの方を向くと逆光で眩しい大航がいた
「たい君!!」
わたしは呼び慣れた呼び方で呼んだ
その方がなんだかヒローっぽい気がした
「渕上、てめぇ可愛い彼女がいるんじゃなかったっけ?……あ、この前告ってフラれたんだっけ」
わたしはきつい渕上からの束縛から離れると
すぐさま大航の傍に近付こうとした
「…待てよ、」
拘束から解放されたかと思ったが簡単に片手を奪われてしまった