悪いキス
「赤くなってる…手術しないと」
大航はわたしの手首を見ると大袈裟に言った
「え?……」
「手当てだよ、ちょっと大袈裟に言ってみただけ」
「…もー」
わたしはどう言っていいか分からず軽く笑ってみせた
「…大丈夫だよ」
「ダメ、キスマークみたいに跡が残ったら嫌だろ?」
そう言ってゆっくりと手首を撫でる
「そんなことしなくても、本当に大丈夫だから」
手で撫でていたかと思うと頬擦りをして来た
大航の柔らかな頬が手の甲に当たる