悪いキス
「よっ、琴美ちゃん」
「あ、行園先輩!いいところに。これほどいて下さい」
「どれどれ……」
わたしが両手を挙げると包帯で縛られた手首には目もくれず
ベッドに散乱している写真を一枚拾う
「へぇー琴美ちゃん桑原弟だけじゃなく兄とも付き合ってたんだ?」
「違います、わたしが付き合ってるのはたい君だけ」
「じゃあ余計にいけないなぁ…何、この写真」
「それは……」
「すごいハレンチだよ?抱き合ったり、キスしたり…隠し撮りされちゃったんだね」
克典は写真を拾い集めると私の頭の上から一枚一枚降り落とす
「みんなには内緒で付き合ってたの?…つまり浮気?」
「そ、そんなんじゃありません」
「それなら、僕と浮気してみる?」