悪いキス
今、わたしが描いているイメージをうまく伝えたいと思っている
素直に、好きだという気持ちを
この手だけじゃ伝わらない感情は口にすればいい
「たい君、大好きだよ」
大航の横顔が夕陽で赤く染まる
この色を掴みたいと思ってわたしは手を大航の頬に伸ばす
大航はそれを振りほどいたりしない
じっと見つめ合ったまま夕陽に溶け込んでしまいそうだった
「俺も、琴美が大好きだよ。きっと琴美が想ってるよりもずっと…」