悪いキス



「ちょっと、待っ…」

咄嗟に引き止めるられる

思わず後ろを振り向くと険しい顔の一倫がいた

「行かせたりしないよ、大航と別れて俺と付き合いたいんだろ?」

わたしは一倫の真顔を凝視する

「言えよ、好きって」

力が緩んで一倫の思うがままに抱き締められた

「俺にちゃんと告白して」

わたしが一倫の背中に手をまわしかけた瞬間、
一倫はわたしの両肩を持って距離を置いた

一倫は固唾を呑み込む

わたしの言葉を待っているに違いない


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