悪いキス
「もしもし…」
『まだ兄貴といるのか?振り向けよ、俺ずっと後ろの木陰からお前の様子を見てたんだけど』
「…え?ほんとに!?」
わたしはすぐさま後ろを振り向いて大航の姿を確認する
確かに人影がある
わたしは電話を切った
「あそこの木陰からたい君ずっと見てたみたい」
一倫から離れて大航の方へ行こうとした途端、
「いいじゃんか、見せつけちゃおうよ」
そう言ってわたしから離れようとしない
手の力を思いきり入れて私の手首を鷲掴みすると耳元で囁いた
「大航がどうして琴美ちゃんに手をださないか教えてやるよ。…あいつ、自分の妹を妊娠させたからじゃない?」
「…え?それ本当?」
一倫は含み笑いをしてゆっくりわたしを離した