夜空の星
その時、彼は躓いて転けてしまった。
僕を抱えていたから彼は受け身も取れずに頭から転んでしまった。
僕の顔に温かい液体がかかる。
彼はさっき転んだ時に頭に怪我をして、頭から血を流しているのだった。
彼は走れなくなり、必死で歩いて廃工場に連れて行ってくれた。
工場の中に入るなり彼は座り込み動かなくなった。
雨は一向に止む気配を示さず降り続いている。
川が決壊したのか洪水している。
僕の足の途中ぐらいまで水位は上がってきた。
彼は動かない体を必死に動かして僕に話しかけてきた。