短編集『芸術家、ボコられる。』
芸術家、ボコられる。(2)
芸術家は、ボコられていたのです。

ボコられまくっていたのです。

生意気だと。

調子のんなと。

殴るけるの暴行を加えられていたのです。

芸術家は、ヤクザに芸術をやめることを、誓わされました。

夜の公園で、こぶしを振り上げられ、恐怖に屈したのです。

公園で血みどろな斎藤。

逆にすがすがしいくらいです。

そこへ、ブランコに乗った女の子が、駆け付けてきました。

女の子「芸術を、やめちゃダメ」

斎藤「なに言うんでぃ」

女の子「暴力に屈してはいけませんわ」

斎藤「ちょっと笑ってない?」

女の子「笑ってないよー、ふふ」

斎藤「笑ってんじゃん」

女の子「ハッハッハ‼」

斎藤「爆笑かよ」

女の子「ギャハハ、芸術をやめちゃダメ」

斎藤「いや、どっちやねん!」

< 1 / 23 >

この作品をシェア

pagetop