愛を教えてくれたのは若頭


それから数日経ったある日
毎日部屋にこもっていた私は
暇を持て余していた


「なるべく一人で外へ出るな、用があるときは連絡してこい。俺が行けない時は風間か…誰かをよこす」


どうしてかを聞くと
やはりそこは、そういう社会のあるある
この前のパーティーで
私は堂城の若頭との女だと
知られてしまったわけで
私に危害を加える人もいるという


…あー、始末するってやつか
自分のことなのに
他人の感覚がする

スマホを見れば
桜花さんからのお誘いのメールが数件と
何度目になるだろう
よっちゃんからの着信


んー、どうしよう
よっちゃんに会いに行けない…よね?
それならもう行けないって伝えないとだめかな?


悩んだ挙句、スマホをタップし
耳に当てた

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