愛を教えてくれたのは若頭

告白




私の目の前にはニタニタと笑っているひとがいて、
今更ながら、私の手首には鎖が繋がれていた


あの人を見た瞬間、逃げなきゃと身体が動いたが、手が重たく冷たい感覚
自分の目で確認すると血の気が引いた



「卓也は湯川の家に預けたよ。あいつと裕也はサッカークラブの合宿で木曜日まで戻らない…二人っきりだな、茜」


ブルブルと身体が震えてきた
口も震え、歯がカチカチと当たる

重たい鎖のせいでうまく動けず
気がつけば私を押し倒して
私に馬乗りになっていた



「初めから狙ってたんだ」


そう言って私の顎をグイッと掴み上げ
唇に自分の唇を当ててきた

嫌だっ、と顔を背けようとするが
あの人の力には敵わず、唇を再度奪われる


気持ち悪い、
我慢するかのように
唇をギュッと結んでいたら
あの人は無理矢理
指で口を開け、その隙間から
生温かいものを入れてきた

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