愛を教えてくれたのは若頭



目がさめると、見慣れた天井
いつも寝ているベットだ

起き上がると、ポトンと何かが落ちた
手に取れば生ぬるいタオル
どうやら額に置かれていたみたい


今は何時だろう、と時計を見ると
深夜の2時だ
あれ?と思いながらベットを出た


リビングへ向かうと
書類を片手に何やら考え事をしている晃さんの姿があった


『コーヒー淹れましょうか?』


私の声に振り返る晃さん
少し驚いた顔をしていたが
頼む、と言って
また書類へと視線を戻した


晃さんにはコーヒーを淹れ、
私はココアにした
カップを手に持ち
晃さんへ渡す

サンキュ、と受け取ってくれ
少しずれてくれたから
晃さんの隣に腰を下ろした


無言の空間
ゴクンと飲む音が聞こえるだけ
何も聞いてこない晃さん
さっきの晃さんは
なんだったのかと不思議に思えてしまう

< 115 / 331 >

この作品をシェア

pagetop