愛を教えてくれたのは若頭

『さっきはすみませんでした。久々に感情剥き出しにしちゃったから、制御きかなくて…あはは、…情けないね』


半笑いで冗談ぽく話した
実際、自分でどこまで口走ったのかなんて覚えていない

覚えているのは叫んだことだけ
そのせいなのか、若干疲れている


「いや、俺が悪かった。ちょっとイラついてた……悪い」


私は首を横に振る
イラついて誰かに当たることなんて
人間だもん、誰にでもある

けど悪いのは私だ



「辛いこと、思い出させちまったな」


『……私、の…話、聞いてくれる？』


誰にも話したことがない私の過去
ちゃんと話せるかわからない
さっきみたいに感情的になるかもしれない

けど、一度引っ張り出した記憶は
早々忘れさせてくれない
なら、今のうちに話してしまおうと…

後から聞かれても
また発狂するかもしれないからだ