愛を教えてくれたのは若頭


久しぶりに見上げるマンション
もう来ることは無い


『すぐ戻ります』


そう伝えてマンションへ入る
ポスト、ポスト…と
よっちゃんの部屋番号を探す
慣れもあって、すぐに見つける
封筒に入れた鍵をポストへと入れた


これでよし、とマンションを出た
ほんの数分…3分も経ってないと思う
待たせたら悪いと急いで戻る


『…えっ?…なんで?』


先程降りたはずの場所に車はない
すぐ戻ると伝えたはずなのに
もしかして、嫌がらせ?

こんな子供じみた事を、
なんて奴だと、ため息をつく


まぁいい、
よっちゃんのマンションからなら
駅も近いし晃さんのマンションまでなら地下鉄でも帰れるはず

再度鞄の中を確認する
財布もある、中身も入ってる
なら帰ろうと、駅へ向かおう

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