愛を教えてくれたのは若頭


どのくらい時間がたっだだろう
目を開ければ、真っ暗な部屋


あ、ベットだ
過去に何度も身体を重ねたベット
よっちゃんに抱きしめられて眠った日々
安眠だと思っていた日々が懐かしい



どうにもならない…
もう、いいやと思ってしまうくらい絶望だ

あの時は母と裕也が合宿から帰ってきたから逃れることができた
けど今は逃れる術がない


「茜」


一人だと思っていた
だから無意識に身体が反応した
身体がガタガタと震えだす


「怖がらないで。俺はただ、茜を愛したいだけなんだ」


優しく囁くようによっちゃんは言ってくるが、いまの私には逆効果だ
触れられた手が冷たい

無理矢理よっちゃんの手によって
顔を向かされ、薄暗い中
よっちゃんの顔が近づいてきた

額に触れる唇も…冷たい
もう嫌だ、
そう思ったら涙が出てきた


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