愛を教えてくれたのは若頭
さよなら
「悪いが茜を諦めてくれ。茜はもう君の元へは戻らない」
「茜は自由を求めている。誰かに飼われるなんて似合わない…し、俺が許さない」
「…煩いな」
イライラした口調に変わり
視線は私へと向けられた
「君の大切な茜、もう俺のだから」
近づいてくるよっちゃん
私の上にまたがり
耳に当てていたスマホを
スピーカーにし、私の横に置いた
“茜っ”
はっきり聞こえる晃さんの声
ホッとしていると
クククッと笑い始めるよっちゃん
「俺から離れた罰だよ、茜」
私の頬に触れた手
ビリっと、勢いよく
私の口を封じていた粘着テープを剥がした
『晃さんっ…ごめんなさいっ』
何より先に出た謝罪
迷惑をかけてしまったことを
何よりも謝りたかった