愛を教えてくれたのは若頭


畑に入って気がついた
私は布一枚で、足は裸足

冷たい、けど土ってこんなに気持ちいい
思えば土に触れるなんて今までない
それに、お婆さんが収穫している野菜を見れば、とても美味しそう


『スーパーで見るより、美味しそう』


トマトってこんなにキラキラしていた?
手に取れば、ずっしりしている


「そりゃ、愛情込めて育ててるからね。食べてみるかい?」


ハサミで切り、首に巻いていたタオルでトマトを拭いて差し出された

手に取れば、やはりずっしりして重たい
トマト丸かじりなんて始めてだ
一口食べると、口から出てくる汁に
驚いてしまった


『甘い、』


その言葉に、お婆さんは満足そうにし
またトマトを収穫し始めた

トマトを食べ終わる頃には
お婆さんはキュウリやナスも収穫していた

< 149 / 331 >

この作品をシェア

pagetop