愛を教えてくれたのは若頭


ところで、と話し始めた晃さんのお母さん


「これからどうする?貴方が前の生活に戻りたいなら送るわ。…けど少しでも変わりたいなら、考えなくはないわ」


この人は何を言っているの?
前に会った時、あんなに嫌そうに私を見ていたくせに、


『私は、晃さんに会いたいです』


それが一番の願いだ
好きだから、とかそう言う意味ではなく
会いたいって純粋に思った


「…そう、けど今の貴方を晃に会わす訳には行かないわ」


どうして、と言いたくなったが
私に発言をさせまいと
私の前に何枚かの紙を出してきた



貴方のこと、調べたわ
その言葉に「だから?」と思う


晃さんのお母さんの代わりに
久家さんが説明してくれた


その間、キヨさんは黙ってお茶を飲み
たまに昨日作った蒸しパンを食べていた

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