愛を教えてくれたのは若頭
そんな生活、窮屈でたまらなかった
馴染まない私には母は苛立ち
私にきつくあたるようになっていた
そして、忌まわしい事件が起きた
それからだ、
母は私をゴミを見るような目で見て
私をいらない人間として扱うようになった
「世間体があるから、高校は卒業しなさい」
それが、最低限の約束
それさえ守ったら、何をやっても許される
初めは全寮制の私立に入れられそうになったが、この家で寝ることはしない
そう告げると、免れた
寝ることは免れたが
今は、この家に私の物を
置いておくことさえ許されないのか…
重たい鞄を持ち階段を降りた
母が立っていたが、何も言わない
靴を履き、出ようとすれば
待ちなさい、と止められた
もしかして、という淡い期待は
一気に泡となって消えた