愛を教えてくれたのは若頭
豪華な宿
今日は早めに客を探そう
何もかも、忘れたい
荷物をコインロッカーへ入れる
毎日、客を探すより
風俗とかで働いた方が楽なのかな?
けど、給料ってのが嫌だ
それなら、まだこのままでいい
「君、一人?」
顔を上げれば
身だしなみがしっかりしているお兄さん
『一人だよ、なーに?』
こんな真昼間にスーツ着て
私みたいなのに話しかけてくる
しかも…若い、
少し警戒しながらも、ニッコリ笑って答えると、お兄さんは私の隣に座った
「いくら欲しいの?」
やはり怪しい、
そう思ったら、話には絶対乗らない
『私、そんなんじゃないよ?』
そう言って、立ち上がり
お兄さんに手を振った
一度だって私の直感は外れた事はない
それを信じないウリ仲間は
補導されていった所を何度も見た
こんな生活を1年以上続けている
身についた知恵、みたいなモノだ