愛を教えてくれたのは若頭
まぁ。初めから同じ土俵ではない
勝ち負けの以前に
自分がまだ未熟すぎる
少しのやり取りを終え
香水女とその母親は
逃げるように去っていった
そして、厳しい目を私に向けてきた
「喧嘩を吹っかけて、どうするんだい。あんたはまだ堂城の人間じゃないんだよ、私がいなかったら…、何よっ」
ジーッと見ていた私
なんだかんだ言って
希江さんが私を助けに来てくれた
それは本当なこと
嬉しくなり
希江さんの腕に絡みついた
「ちょっと、止めなさい」
『いいじゃないですか、仲良くやりましょうよ』
希江さんは私から離れようとするが
私は希江さんに抱きついていた
初めはぽかーんと見ていた晃さんも
私を引き剥がし
私の腕を自分へと回した
「お前が抱きついていいのは俺だけだ」