愛を教えてくれたのは若頭


晃さんの首に顔を埋め腕を回した私
払う事もせず、そのまま話し続けている
けど空いている手で
私の頭を優しく撫ぜてくれる


それだけなのに涙が出てくる
私、やばいくらい
晃さんが好きなんだと思う

そして、晃さんの手が
誰よりも温かい


電話が終わった晃さんは
私の腕を外し私の方を向いたかと思えば
ヒョイと私を持ち上げ
自分の膝へと座らせた


驚いたけど
顔を上げる勇気はない
涙でぐちゃぐちゃな顔だ
だから晃さんに抱きついた
晃さんはそれをわかっていて
何も言わず抱きしめてくれた



「ほんと、かわいい奴」


この手を離したくない
誰にも渡したくない…
私だけの晃さんでいて欲しい


そう願う茜
けど、それを独占欲だと気がつくのは
まだ先のようだ


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