愛を教えてくれたのは若頭


これでいいと思ったのは一瞬だった
晃さんに母に伝えたといったところで
納得しないことくらいわかっている

あんな言葉で母が学校に退学の話をするとは思わない
それに、裕也のことは?
あの子は大丈夫なんだろうか…
湯川の人は母が裕也にしている事を
全く知らないと思う

それを考えたら
やはりあの家に行くべきだろう
あの人がいない
情緒不安定な母と、湯川の両親
それなら行っても大丈夫じゃないか

そう思っても、やはり躊躇してしまう




「ごちそうさん、風呂」


夕食を食べ終わると、すぐにお風呂へ向かった晃さん
相変わらず、必要以外は話さない

晃さんの後ろ姿を見ながら
ずーっと考えていた
どうすればいいか…


答えは一つしか無いのはわかっている
洗い物を済ませ、私は向かった


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