愛を教えてくれたのは若頭


こうして、私達のわだかまりは無くなり
嫌な空気ともサヨナラした

その夜はとてもぐっすり眠れた
明日、あの家に行くというのに…
あんなに嫌だったあの家
晃さんが一緒だと思うと安心できる




「大丈夫か?」


久しぶりの外出に緊張する
あの家に行くだけなのに…
心配そうに私を見る晃さんは
いつもはスーツなのに
今日はカジュアルなジャケットにパンツ
いかにも一般人って感じだ
けど、ちらっと見える高そうな腕時計で
いかにも金持ちと言った感じだ



『うん、大丈夫』


晃さんの元へ駆けよれば
抱きしめてくれる
本当に大丈夫な気がする

外に出れば、風間さんが待っていた
スーツを見れば納得
弁護士です、と見えるところに付けている
裕也の事もあるからだろう
車に乗り込むと、発進する
久しぶりに帰るあの家
もう二度と帰らないと思っていた
けど、本当にこれで最後だ

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