愛を教えてくれたのは若頭
女の私が見ても見惚れてしまう
あー、私も桜花さんみたいな身体だったら、もっと稼げるんだろうな…
「茜ちゃん、ジロジロ見過ぎよ。ところで今日はここで過ごすの?」
『そうですねー、今日は宿無しですから』
笑って話す私に
桜花さんは一つため息をつき
あのさ、と話し出した
桜花さんの話は
今週の宿を保証するかわりに
桜花さんが働いている店の
ヘルプに入って欲しいとのことだ
どうやら昨日から
数人のキャストがインフルエンザにかかってしまったようで
人員不足だという話
『けど、私、未成年だよ?』
「大丈夫、あと4日だから。それに、茜ちゃん、見るからにお酒に強そうだし、何かあれば私やボーイが助けるから」
だから、お願い
そう言いながら、顔の前で両手を合わせる
こんなお願いされたら
断るなんてできない