愛を教えてくれたのは若頭
仕方なく座るが
私の手を掴んだまま話してくれない
逃げる、と思っているのだろうか
「それと、裕也くんと卓也くんの事ですが、これからは湯川さんが引き取るということでしょうか?」
「はい、裕也と卓也…二人を。裕也はこれから高校生になりますので、全寮制の学校を目指していると本人から聞いてます。卓也はまだまだ手がかかりますので、私と妻でできる限り育てて行くつもりです。……それが、何か?」
湯川の父親はまだ何かあるのかと、不安を隠せないようだ
全寮制の学校という言葉を初めて聞いただろう母はバン、とテーブルを叩きつけた身を乗り出すように湯川の父親に言った
「どういうことっ!裕也は東進の特待クラスを目指していたのよっ!全寮制の学校なんて、入るわけがないっ!」
母の勢いに驚いた湯川の両親は
驚きすぎて、ぽかーんとしている