愛を教えてくれたのは若頭


裕也は母を見ることなく
そのまま私の隣へと座った
湯川の両親も母も
その行動に驚いている様子だ


「裕也くん、全寮制の学校へ入るのは本当かな?今もその気持ちは変わらない?」


裕也が座ると風間さんが質問した
誰もが裕也の答えに集中する


「うん、この家にはいたくない」


答えたが、裕也の視線は母ではなく
湯川の父親へと向けられている
湯川の父親は一瞬驚いたが
どうしてだと聞くと裕也は黙ってしまった


そりゃそうだ、と納得してしまう
何も知らない湯川の父親
自分から離れていこうとする裕也に
怒りを覚えている様子の母



「裕也は母親からDVを受けている」


裕也が黙っていたら
今まで何も話さず見守っていた晃さん
まさかの発言に母も湯川の父親も凍りつく


< 215 / 331 >

この作品をシェア

pagetop