愛を教えてくれたのは若頭


「何を根拠にっ!あ、赤の他人に何がわかるっていうのよっ!証拠でもあるの?私はね、あの人から裕也を任されているの!裕也を立派な医者にするためにーー」


バン、という音に母の言葉が止まる
テーブルを叩いたのは、裕也だ



「…俺、医者になんてなりたくない。医者にさせたいのは…母さんだろ。俺は…弁護士になりたいんだ」


弁護士という言葉に母の視線は
裕也から風間さんへと向けられた


「相談は受けました。それなら全寮制の学校の方がオススメだとも話しましたが、決めたのは裕也くん本人です。それと、証拠と言いましたが一応ありますよ」


そう言って風間さんは鞄からクリアファイルを出し母と湯川の父親の前に数枚の紙を並べた


気になり私も見ようとしたが
やめろ、と晃さんに止められてしまった

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