愛を教えてくれたのは若頭


『初めまして、茜です』


失礼します、と高そうなソファに
姿勢を正して浅く座る


「あれ?新しい子?可愛いなぁ」


そう言って品定めをするかのように
全身を見てくるおじさん


「葛城社長、見過ぎですよ。茜ちゃんは今週だけお手伝いして頂くの。私の妹みたいなものよ」


そう言いながら桜花さんは
葛城社長という人の膝に手を触れた
その手を握る葛城社長


古い付き合いなんだろうか…
そんな風に思っていたら
テーブルの上になにやら置いて行った


「茜ちゃんの、初めてのお客が僕ならお祝いしないとね」


そう言ってくれた葛城社長
ボーイがグラスに注ぐ
キラキラとゴールド色の炭酸

もしかして…お酒?
不安になり桜花さんを見れば
和かに笑っている


やはりお酒だ
綺麗と見入ってしまうが
もしかしたら、これが戦いの始まりかもしれないと生唾を飲む

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