愛を教えてくれたのは若頭


「へぇ…、それは面白そうだ」


晃さんの声が聞こえた
私の身体は凍りつく
ま、まさか…

そう思った次の瞬間
んんっ、と小さな喘ぎ声に
近いものが聞こえた


「いうだけあるな、年の割にはスタイルも…ケツの張りも悪くない。胸もそこそこあるし、肌も綺麗だ」


やだ、
晃さんが母を…
それだけは嫌だっ


晃さんのスーツに手をかけようとした時
「水戸」という声が聞こえた
水戸?誰だ?


「や、やめてよっ!何するのよっ!話しなさいよっ!」


突然、母の喚き声が聞こえた
何が起きているのか
晃さんの身体の隙間から外を見れば
母は男の人達に連れて行かれている
母は抵抗するも、男二人なら無理だ


「あんた、助けなさいよっ!娘でしょうっ!私は母親なのよっ!」


本当に私は母の娘なんだろうか、
あんなの母親だと思いたくない
二人で仲良く暮らしていたのが
本当に嘘のように思えてならない

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