愛を教えてくれたのは若頭


母は知らない別の車に乗せられ
車は行ってしまった

晃さんは何事も無かったかのように車に乗り込んできた
そのあと、風間さんも乗り車は走り出す


母がどこへ連れて行かれたのか
気になるが多分良いところではないだろう
今は母を許すことは出来ない
だからいつか
そういう気持ちになったら
なったら…聞こう、かな

多分、一生ないけど。



「疲れたか?」


『…少し』


本当はすごく疲れた
自分のことだけならとやかく
裕也のこともあったからだろう

晃さんは私の身体を自分の身体へと引き寄せ抱きしめてくれる


「少し寝ていろ」


寝ろと言われて寝れるほど
神経図太くない
それでも目を閉じ
晃さんがいてくれているだけで
とても安心してしまう

あの時、母の元へ行ってしまうと一瞬でも思ってしまった時
今までにないくらいの感情がうごめいた
そして、絶対嫌だと…


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