愛を教えてくれたのは若頭
暫くして晃さんが帰ってきた
風間さんがいてもお構い無しの晃さんは
玄関先で私を抱きしめ
ただいま、と軽くキスをする
いつも、どんな時も
私の唇から離れた晃さんの唇は
また触れるけど挨拶のキス止まり
それ以上は進まない
別にいいのに、と思うのに
それ以上は手を出してこない
思えば、こんなに身体を使わない日々は久しぶりだ
久しぶりというか、何も知らないあの頃以来だ
「なんだ、この匂い」
『今日はね、風間さんが作ってくれるって言うからお願いしたの!中華丼だって』
前に何度か風間さんが食事を作ってくれた事がある
風間さんはかなりの腕で凄く美味しい
楽しみでもあるが、晃さんはそれを嫌う
チッと舌打ちをしている
ホラね…、なぜかと言えば
風間さんが言うにはヤキモチだそうだ