愛を教えてくれたのは若頭
「茜、あんたお菓子は作れるの?」
紅茶を飲みながら、出されたシフォンケーキを食べながら世間話が日課
『お菓子ですか?作った事ないですね』
母と暮らしていた頃もだが
食事の用意はするが
お菓子作りはした事がなかった
母との暮らしは決して裕福ではなかったから無駄遣いをしたくなかった
「だめよ。これから先子供の誕生日とかにはケーキを作れるようにならないと。市販のケーキも良いけど、もしアレルギーがあったらどうするの?」
ど、どうするのって…
希江さんの迫力に負けてしまう
て、いうか子供って…
『は、ははっ。わ、私まだ18ですよ?』
冗談、と思いきや
希江さんのピクリとも笑わない
あれー、と思っていたら
そこに思いもよらない声が飛び込んできた
「希江は18で晃を身籠った…だったか?」