愛を教えてくれたのは若頭
身体から熱が冷めてしまっただろう
すっかり晃さんの身体は冷えてしまい
このままだと本当に風邪をひきかねない
けど、まったく動こうとも
私を解放してくれる気配もない
困ったな、と思っていると
ボソッと聞こえてきた晃さんの声
「…俺の愛は、…重いって、」
「自由が、ないってよっ…」
組長さんから聞いていた内容は
表面的なものだった事に
今やっと理解できた
当人同士で何が話されて
どんなやり取りがあったかなんて
誰にもわかるはずがない
晃さんはずっと傷ついたままだったんだ
『…それって、大切にしているってことでしょ?私は大切にされていることが何よりも嬉しいよ?外に出たい時や暇な時は風間さんや希江さんがいるし、この前なんか組長さんが私の相手をしてくれたんだよ?』
組長さんが乱入してきた時の希江さんの驚き顔を思い出すと今でも笑える