愛を教えてくれたのは若頭
こんなに弱っている晃さんを
私は初めて見た
けど、それは
私だから見せてくれた
どれほど嬉しいことか
今の状況だと不謹慎だけど
嬉しくて、嬉しくて口元が緩んでしまう
『愛って、難しいよ。未だに理解できていないの。だから、私が愛を理解するまで、ずっと…私に愛を教えて』
少し緩んだ腕の中で
晃さんの方へ身体を向き直す
初めて触れる晃さんの身体
恥ずかしさもあるが
ゆっくり晃さんへと近づいた
茜、という
小さな声が聞こえたが
返事をする気もなく
私は晃さんの唇を塞いだ
初めて、だ
晃さんとキスをしたのも
自分からキスをしたのも…
自分の心臓の音がうるさい
のぼせてしまうのではないかと
重ねた唇をゆっくり離す
やはり冷たい、
触れた晃さんの身体
このままでは風邪をひくと思い
もう一度温まるよう晃さんに伝えた