愛を教えてくれたのは若頭


本当に泣きそうっ、



「なら、鳴かせてやろう」


『そういう意味じゃないっ!』


この人に何を言っても無理だと観念し
唯一の望みを口にした


『ベットでしたい』


こんな声が反響する個室でやる勇気はない
マンションだからといって
声が漏れないことは絶対にない
抑えれる自信もサラサラないのだ



「ヘェ〜、俺のこと愛してんの?」



この後に及んで、それかよ
好きだけじゃ抱けない
それは晃さんのトラウマから出された防衛本能だったのかもしれない



『なんなら、結婚でもします?』



振り向きざまに言ってやった
案の定、晃さんは目をまん丸にして
驚いた様子だ
してやったり、と笑いながら
私はまた晃さんに口づけをした


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