愛を教えてくれたのは若頭


接客は疲れる
笑顔を絶やさず、客の話に
ずっと耳を傾けていなきゃならない

少し気をぬくと
桜花さんの厳しい目が光る
ニコッと笑顔を向けられるが
それは、きちんとしなさいという意味だ


疲れたー、と
広いベットにダイブする

ふわふわな布団に身体が沈む
あー、気持ちいと
瞼を閉じると、すぐ夢の世界へと旅立つ



桜花さんが帰ってきたのは
私が寝入った後の事だ




朝陽が眩しくて、目が覚めた
ベットには私しかいなく
もしかして桜花さんは帰ってきていないのかとリビングへ向かった


「あら、おはよう」


スッピンだが、とっても綺麗な顔立ちの桜花さんがコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた


『おはようございます!なんか難しい物読んでますね』


そう言いながら、新聞を覗き込む
経済新聞、と書かれている
頭が痛くなるような新聞だ

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