愛を教えてくれたのは若頭



「久しぶりだね、茜」


そう、久しぶりだ
けど会いたかったわけじゃない
出来れば一生会いたくなかった


「湯川部長、これでマミと別れてくれるんですよね!?」


湯川はもちろんだ、と
スーツの内ポケットからスマホを取り出し、どこかへ電話をし始めた


「ーー俺だ。今どこにいる?…そうか、マミ?俺の言う事を聞けるか?ーーああ、暫く忙しくなる。ーーそうだな、兄貴と相談しながら、ーーそれは気にするな。ーーああ。わかった」


それだけ言ってスマホを耳から離した


「別れる、なんて言ったら、あいつは自殺するだろう…それくらい俺に惚れているからな、後はお前に任せる」


「部長っ!子供はっ、腹ん中の子供はどうするんですかっ!」


そうだ、
そんなに湯川に服従なら
一人でも産むと言いだすかもしれない

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