愛を教えてくれたのは若頭
だが湯川は不敵な笑みを浮かべている
それが恐怖でならない
「大丈夫、マミには薬を与えたから。俺の言いつけを守って飲んでいるはずだ。そのうち、流れるだろう」
部長っ!と
男は今にも掴みかかりそうな勢いだ
けど湯川は怯む事なく口を開く
「なら、そのまま出産させるのか?俺は二度とマミの前には現れない」
それでいいのか?と
冷たい視線で男を見ている
湯川という男を、彼は知らなかった
そして、それは私も同じ
私が思っている以上に最低な男だと
改めて知る事になった
ガックリ肩を落とした男は
ヨロヨロと男は私に近づいてきた
「…彼女は?…どうするんですか?」
男は私を庇うように私の前に立った
この部屋に連れてこられた時
男は私に申し訳ない気持ちがあったのは確かだ
けど、今は…
私を守ろうとしている