愛を教えてくれたのは若頭
湯川の手がショーツの中へ入れた
コン、コン
ドアの叩く音がした
湯川はショーツから手を抜き
私から離れた
ホッとした自分もいたが
そんなの一瞬
湯川はネクタイを取り
私の口元へと巻きつけた
「良い子にしてろ」
頬にキスを落とし
何度も叩かれるドアへと向かって行った
「なんですか?」
「す、すみません。フロント…です。先程…お金をす、少なく貰ってしまいまして…今、頂けないかと…」
それは年配の女の人だ
受付で見た手は、この人だったのだろう
なら助けを求めても無理だろう
湯川はチッと舌打ちをし
ポケットから財布を取り出し札を出す
今開ける、と言いながら
入り口のドアを開けたとたん
湯川の短い悲鳴が聞こえた
なにっ?と
どうにか身体を起こした
ベットと入り口の間には
目隠し用のガラスがあり
ハッキリとは見えない