愛を教えてくれたのは若頭
カチッと、聞きなれない音
何が起こっているかわからない
目隠し用のガラスを見ていると
何かが動いている
目隠し用のガラスの横から顔を出したのは風間さん
「あ。それはまずいね」
そう言いながら自分が着ていた上着を脱ぎ私にかけてくれた
痛くない?と聞きながら
手首と口ののネクタイを解いてくれた
『か、風間さんっ!』
「うん、ごめんね」
ホッとした気持ちもあり
風間さんに抱きつこうとしたが
ドン、という音に身体がビクついた
見てみると、
目隠し用のガラスに湯川の背中がぶつかっている
そうさせているのは…晃さんだ
晃さんが何かを持ち、
それを湯川に突きつけている
「茜ちゃん、見たらダメだよ」
そう言って私の頭をぽん、と叩き
風間さんは晃さんの方へ行った